【プロ画家が画材紹介】パステルと木炭を徹底解説!
こんにちは、画家のクロマトです。
私は絵描きとしてはなかなかに珍しく、
木炭とパステルを使って描くアナログ画家です。
この記事では、その魅力をたっぷりとお伝えします!
木炭やパステルで描いてみたい方、
どんな画材で描いているのか気になる方は必見ですので
どうか最後までお付き合いいただけましたら幸いです!

【木炭について】
まず最初にご紹介するのは、木炭です。
「木炭」と聞くと、
消臭用の備長炭やBBQの炭を思い浮かべがちですが
お絵描き用の木炭がちゃんと販売されています。
美術系の学校や、美大を目指されていた人には馴染み深く
デッサンの基礎を学ぶのにぴったりの画材ですが
それを主役として使ってやろう!というのが私の魂胆です。
ただ、無縁だった人も多いと思いますのでご説明しますと
画用木炭にも様々な種類があります。
木の種類、太さ、焼いた温度などなど…
しかし、私が使っているのはたったの3種類です!
商品は、「伊研 画用木炭」シリーズです。
●ヤナギの木炭
メインで使用するのは「ヤナギの木炭」です!
使用しているのはこちらの商品


商品ページは世界堂オンラインより引用しております↓
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A000668
ヤナギの木炭は柔らかく滑らかな使い心地で
発色も良いので初心者からずっとメインで使えます。
「ひとまずこれさえあればOK」といった感じで
あらゆる表現がヤナギ1種類で可能です。
安い、面倒臭くない、ミスっても修正可能
コスパと使いやすさ最強なのでは…!?
私は、広大な土地を塗るための中軸タイプ
そして細かい部分を描くための細軸タイプ、
この2種類のヤナギを使い分けています。
木炭は他の画材と異なり、
「消しゴムで消しながら描く」といったほうが良いかもしれません。
大まかにドバーッと塗ってから細かく形を整えたり、
後から描き込みをしていくので
使い分ける種類は少なくても多彩な表現が可能なのです。
コントラストの強い陰影をつくりたい時にとても役立ち、
さらに練り消しゴムでも消しやすいので
あらゆる場面で主役になる木炭です。
また、パステルと混ぜても独特な鈍さを生むので面白いですよ。
●ミヅキの木炭
そして、かなり有能なのが「ミヅキの木炭」です。
使用しているのはこちらの商品。

商品ページは世界堂オンラインより引用しております↓
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A000668
ミヅキの木炭は、描き心地が硬いです。
鉛筆で例えるならHBのような存在で
細かく緻密な表現をするのに適役です!
モノクロで表現する時に
この硬いミヅキの木炭で
人物画の肌や髪などをコチョコチョしたり
細かい立体感を出すためにコチョコチョしたり
ヤナギではできない繊細な表現が、この子では可能です!
ふあ〜〜〜ミヅキちゃんはすごいですぞ!
ヤナギとタッグを組むと最強コンビですわ。
なんでも、どんな表現でもできますからね。
ただ、硬さゆえに
力を入れすぎると紙へのダメージも大きく
紙のザラザラが平らになってしまったら
色が乗らなくなるので注意です!


【パステルについて】
さあそして、私の色彩のすべて
「パステル」のご紹介です。
私は「ハードパステル」と
「ソフトパステル」の2種類を使用しています。
その違いは何なのか、ご説明しますね!
●ハードパステル
パステルというと、
このイメージを浮かべる方も多いのではないでしょうか?
私が使用しているハードパステルはこちら
「ヌーベル カレーパステル」です。

商品ページは世界堂オンラインより引用しております↓
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A000698
もしかしたら、
子供の頃に美術の授業で触ったことあるかも!
という方も多いかもしれませんね。
ハードパステルは、
名前の通りカチコチのブロック状のパステルです。
「ヌーベル カレーパステル」は特殊なものではなく、
ごく一般的なパステルで
値段も1本あたり100円と、めっちゃ安い!
しかも長持ちするので、
これまたコスパ最強です!
画材屋さんや通販ショップで
「どの色を買おうかな〜〜〜うひひ」
と選んでいる時間もこれまた至高ですよ。
使うかたによっては、
削って粉にして使ったりもしますが
私はそのまま直接ゴリゴリ使います。
パワーー!!
そう、大きいサイズで、
かつハードパステルで色彩豊かにしようものなら
割と筋肉使いまっせ。
ときには筋肉痛にもなります笑
色味としては「THE パステルカラー」
柔らかく暖かい色彩ですね。
ゆえに可愛らしい表現や、
緻密な表現にも向いている画材です。
色によって
紙への乗り方の違いがあって面白いです。
これはめっちゃ乗る!でもこれは全然乗らん!
みたいな。
そして、とても重要なのが
「白パステル」これすごいですよ。
色味をさらに柔らか〜くしてくれたり
色と色同士を
良い感じに馴染ませてくれたりしますので
私は白パステルを多用しています。
さあ、実際に描くとどうなるのか。
色彩をハードパステルのみで描くとこんな感じ。
あああああきゃわいい!!!!

●ソフトパステル
ハードパステルのご紹介をしましたが
お次は「ソフトパステル」です。
ハードパステルと比べて
一体どんな違いがあるのでしょうか?ご説明します!
私が使用しているのは「レンブラント ソフトパステル」です。

簡単に言うとソフトパステルは
「油っけのないクレヨン」です。
それでいて発色も伸びもよく
パステルカラーと言うよりは、
より絵画的な表現
「油絵みたいな表現」
をする時に私は使用します。
折れたり欠けたりしやすい点は注意が必要ですが
ハードパステルよりも、
画面上での混色がしやすいので
人によって表現の幅がとっても広い画材です。
鮮やかにも、鈍くもできる画材で
白パステルと黒パステルが良い活躍をします。
光の強さをコントロールしやすい!
黒パステルは木炭よりも黒いので、
黒さを手前にバーン!と持ってきたい時に重宝しますね。
とにかく発色の良さに驚きますよ!
まるで絵の具を固形にしたような感覚です。

【画材のメリット・デメリット】
ここで、木炭とパステルを使う上での
メリット・デメリットもご紹介します。
他の画材にできない事もあれば、
他の画材よりも劣る部分もあります。
●木炭のメリット
・価格が安く、コスパが最強
・種類が多く、自分に合わせた選び方ができる
・一気に広い面積を塗れる
・描きながら修正しやすい
・準備も後片付けもほとんど無し
●木炭のデメリット
・粉が舞うので、マスク推奨
・粉で周辺や手、服が汚れるので注意
・小さいサイズの作品ほど描くのが難しい
●パステルのメリット
・色の種類が豊富で、表現の幅が広い
・描きながら画面上で混色するので手間がかからない
・木炭同様、準備も後片付けもほとんど無し
・描きながらの修正がしやすい
●パステルのデメリット
・木炭同様、粉と汚れに注意
・小さいサイズが描きにくい
・ソフトパステルは折れやすい
私が木炭とパステルを使う理由は
お絵描きスペースさえあれば
準備と後片付けが要らないので
パッと描き始めて、パッと辞められる手軽さです。
私は怠惰な人間ですので
絵の具で例えるなら、パレットや水を準備したり
あらかじめ混色したり、
乾くまで待ったり、
描き終わったら洗ったり…
という作業が非常〜〜に面倒なのです。
その点、とっても自由なので
なんでもっとメジャーじゃないのかなぁ
と思ったりもします。
【制作環境に必要なアイテム】

私の制作環境はこんな感じです。
四畳半にイーゼルを二つ立てて描いています。
しかし、画材だけで絵が描けるわけでもないので
私が普段使用しているアイテムをご紹介します!
●イーゼル
アルミ製で折り畳みのできるタイプがとても使いやすいです。
使用しない時は畳んでおけば
お部屋のスペースを取らないですし
持ち運びやお引越しの際にも便利です。
値段は通販で5,000円ほどです。
●木炭紙
紙は「木炭紙」という紙を使用しています。
サイズが650mm×500mmのワンサイズで、
とても大きいです。
また、1枚を下敷き用にして
その上にもう1枚重ねて描いています。
小さいサイズの絵を描く場合は、
この木炭紙を切り
カッターマットなどを下敷きにして描いています。
個人的にはもっと様々なサイズがあればありがたいんですけどねぇ…
作品創りとしてメジャーな紙ではないのでワガママ言えませんね。
値段は300円ほどです。
●練り消しゴム
紙を傷つけずに消すことのできるアイテムで
木炭のような画材の場合、
消すことによって描く際にも便利です。
値段は一つ100円ほどです。
●カルトン
イーゼルに立てかけて下敷きにするボードです。
サイズは木炭紙サイズで、
作品をボードに挟んで保存することが可能です。
値段は2,000〜3,000円ほどです。
●目玉クリップ×4
紙を四隅で留めます。
これがないと描けたもんじゃない!
一つ50円ほどで販売されています。
●紙擦筆(かみさっぴつ)
紙でできた鉛筆状のアイテムで
画面を擦ってぼかすために使用します。
木炭とハードパステルで制作するにあたり、
主役の一人とも言える存在で
私はとっても多用します。
しかし、ソフトパステルに使用するのは禿げてしまうのでオススメできません。
鉛筆同様、カッターや鉛筆削りで削ります。
太さが様々ありますが50〜100円程度です。
●フィキサチーフ
木炭やパステルを定着させるためのスプレーです。
完成後での使用が主ですが、
中盤で一旦定着させる術もあったりします。
しかし、定着剤が舞ったり
独特な匂いがあるので使用時はよく換気しましょう。
値段は一本あたり1,500円くらいで購入できます。
●指!
指!そう、指です!
手に生えているアレです!
みなさん、指は画材なんです!!
パステルを扱う上では
指でぼかす、指で馴染ませる、
というのがかなりメインになってきますので
とっても大切なのです。
一本でも生えていればOK!
特にソフトパステルで絵を描く際、
画面上で混色したり
まるで油絵のような仕上がりにすることが可能です。
また、風や光などを表現する時にも
画面に「方向」が生まれてくるので重要なポイントです。

ぜひ触れてみてください!
私が使用している画材とアイテムのご紹介は以上になります!
この記事をご覧になって
使ってみたくなった!ワクワクした!
と感じていただけましたら幸いです。
ぜひ一度、触れてみてくださいね!!
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
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クロマト
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