【絵の販売】作品の値段の決め方を徹底解説!

2022年9月14日

こんにちは、木炭とパステル画家のクロマトです。
今回は、自分の作品を売る際に必要な
値段の設定の仕方について解説していきます。

創作の人間として活動していくにあたって
重要事項となりますので
ぜひ参考にしてください!

この記事の内容を自分に当てはめ、
総合的に見ることで
あなたの作品の値段が見えてくることでしょう。


【時給換算する】

一つ目はこれ、「時給換算」すること。
2022年3月現在、
東京都の最低賃金で言えば1041円です。

どんなに低く見積もっても、
時給がこの1041円以下になることは控えたいです。

しかし、創作というのは誰でもできることではなく
あなたの個性や
生きてきた人生が反映されるものなので
もっとずっと高くなります。

一朝一夕で
絵を描けるようになるわけではありませんし

アルバイトと違って、
限りなく専門的な能力なわけです。
その能力が最低賃金相当なわけがありません。

そして何より、
創作は「自発的な行動」であり

出勤して、
与えられた作業をこなすようなレベルの話ではないです。

自分が全てゼロから行わないとできない行動ですので
人間としてかなり高難易度のもので、
体力も精神力も使います。

私は、どんなに値段を低く見積もっても
創作の最低賃金は、
時給2500〜3000円くらいだと思っています。



ちなみにこの作品ですと
「購入しやすさ」と「飾りやすさ」
をコンセプトにしているので

先ほど申し上げた最低賃金の時給2500円、
2時間で完成するので販売価格は5000円としています。

【サイズで換算する】

もちろん、
作品のサイズ感によっても値段は変動してきます。

絵画の世界で例えると、
一つ基準になるのが「号数」です。

「1号いくらで販売するのか」という考え方で
それに応じて
値段設定をする方もいらっしゃいます。

FやM、Pといった種類がありますが
F1号でいうと、221×166mmの大きさです。

これを基準とし、
自分の作品のサイズに合わせて考えていきましょう。

「絵画 号数」などで検索すると
サイズ一覧が出てきますので
自分の作品がどの号数に一番近いのか

を調べてみると分かりやすいです。

しかしここで
ややこしい事を言ってしまうのですが

小さいほど割高に、
大きいほど割安になるのが一般的です。

例えばF10号、530×455mmを基準に
それ以下になるほど最大30%アップ、
それ以上になれば最大30%オフ。
そういった考え方もあります。

ここ日本では大きい作品は売れにくいので、割安に
小さい作品は飾りやすい、売れやすいので割高に

そうやって生活の事を考えている作家は多いです。

また、制作している当事者からすると
小さいサイズの作品になればなるほど難しいのです。

単純に細かい作業を求められる、
というのもありますし

小さな画面に入れられる要素が限られてくるので
難易度が高いのです。


このことから、小さいほど割高になっていくのは当然なんですね。

【あなたの寿命を使って描いている】

念頭において欲しいのは、
限られた人生の時間、
あなたの寿命を使って創作しているということです。

作品を創れば創るほど、
ケバブのようにあなたの命や魂を削っています。

これはどんな職業の方にも言えることですが
ならなおさら最低賃金を下回るのはダメです。

ここからは時給やサイズ感などの理屈とは違う話です。
あなたの作品の生みの親である、
あなた自身の主観的な話です。

悩んで悩んで悩んで、今もなお創作を続け
この記事にたどり着いた作家のあなたよ
自分の命や魂を安売りしてはダメです。

1000万でも、1億でも、
値段を設定できるだけ、
その時点で安いものなんです。

誰が代わりにできるものでもない
あなたが立ち上がって、
あなたがやらなければ生まれないあなたの作品。

値段のつけようがないものを、
懐深く値段をつけてあげられるくらいに

安売りはしているのですから
どうかせめて、
あなたの命を安いものにしないでください。

売れる売れないは、他者が決めることです。
売れないから思い切り安くしよう、とか
自分なんて大したことないから500円で売ろうとか
自らの命への冒涜であると私は思います。

【大切にしてもらえる値段をつけよう】

このブログを通してよく言っていることですが
あなたの作品は、
あなたから生まれた子供のような、
分身のような存在です。

例えば私のこの絵


サイズは650mm×500mm
これを100円で販売したとしましょう。
そしてそれを購入した人がいたとしましょう。

果たして、大切にされるでしょうか。

傷をつけてしまっても、
あるいは壊してしまったとしても

「100円で買ったし、まぁいいか」
ってなってしまうと思うのです。
それがあなたの命を使った、
我が子のような作品であるにもかかわらずです。

実際、この作品は25万円で販売しています。
制作時間もかなりかかっていますし、

その分の寿命、
今までの経験を使っているからです。

かなり精神や魂を削った作品は30万円を超えるものもあります。

そこで、私の値段設定の説明になるのですが
上記でお話ししたように

「時給」「サイズ」「寿命」
を意識した設定をしています。

でも、なにより
購入いただいた方に
大切にしていただけるであろう値段設定をしております。

「この値段で買っていただけるなら、安心して送りだせる」
という気持ちをなにより大切にしています。

25万円で買った絵画となれば、
かなり大きな買い物ですから
大切に扱わない人は限りなく少ないと思うのです。

なぜ大切に扱われたいか
それは私の子供であり、分身だからです。

【価格崩壊を防ぎたい】

私は以前、
デザイン系の制作会社の営業部として働いていました。

イラストが必要となった時に
フリーランスのイラストレーターさんに
外注したりするんですね。

その方もかなり安く活動していらっしゃいましたが
それでも1件あたり、
サイズや制作時間をもとに1万5000円〜10万円が基本でした。

有名な方だと40万円〜50万円が普通と言えるでしょう。
私はそれが真っ当、安い方だと考えていましたが

スキルを売れるアプリや
SNSなどが強さを増してきて

会社員をしながら趣味で売っている方
専業主婦の方などの、

異常なまでのスキルの安売りが増えてきて
美術業界の価格崩壊が何年も前から起こっています。


そういった立場にいる方もどうか、
この記事を参考にしていただきたいです。

それこそ、10万円はするはずのイラスト依頼が
3000円程度でされていたり。

正直なことを申し上げると、
生活が担保されているからこその安売りだと思うのですが

私たち作家は生きることすら難しく、
今日の食料のことを毎日考え

精神を蝕まれ続け、

命を絶つことすら常に頭をよぎります。

どうか、どうかお願いします。
あなたの命や魂、
スキルを安売りしないでください。
とても価値のあるものですし、

価値がつけられるだけでも安売りなのですから。




【絵描きさん、みんな仲間!】

私クロマトは、すべての絵描きさんを心より応援しております。
上手い下手も、初心者でも何でも関係ありません。
私だって、まだまだ駆け出しの身。
肩を並べて、あなたと一緒に進んでいける事を願っております。
この記事を見ていただいてありがとうございます。

クロマト

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