【画家の絵】パステル絵の描き方・制作過程『Chronophobia』

2022年9月14日

こんにちは、木炭とパステル画家のクロマトです。
今回はこの、『Chronophobia』(クロノフォビア)という作品の
完成までの制作過程をご紹介していきます!



【木炭とパステルで下地作り】

サイズは木炭紙大(650mm × 500mm)です。
大きいサイズなのでイーゼルを使います。

まずは木炭で人物のポーズを描いて
大まかな陰と光をハードパステルで軽く塗ります。
そして画面全体を木炭でもう、
オラァァァァって塗っちゃうんです。



木炭でオラァァァァした後は
ティッシュを使って擦り、全体をなじませます。

なぜこの最序盤で画面全体を木炭で塗ってしまうかというと
・全体がグレーになるので、人物のハイライトが見やすい
・明るい色(黄色など)が見やすい

という、絵を描き進める上で自分がわかりやすいようにする、という理由があります。
白紙のままだとわかりにくい部分を、まず解消するんですね。

が、一番の理由は
全体を塗ってしまう事で「やってる感」が出て
モチベーションが上がるんですよ笑

なんかこう、白紙の部分が多いと途方もない感じがしますけど
こうするとどこか安心できて、メンタル的に楽なんですよね笑
「お〜、進んでるぞぉ」という気分になれます!
どうせ上から重ねられるので、弊害はほとんど無いように感じます。

【ソフトパステル、投入!】


光に満ちた絵画にしようと考えていたので
白のソフトパステルで全体を塗っていきます。
パステルを完全に寝かせて描いていると
紙の凹凸に合わせて模様が浮かび上がってきました。

こりゃ面白い。
木炭紙ってめっちゃザラザラしているので、
寝かせて描くと、凹みに色が乗らないから紙の質感が浮き彫りになるんですよ。

そんなこんなで
青色を足して指でぼかしながら描き進めていくと
なにやら雲海のようにも見えてきました。
イメージ的には雲の上を表現しようと思っていたので
バッチグーですね。

光の方向や、それに伴った陰も少しずつ描いていきます。

【色彩無双、開始!】


いやワンピの丈、短すぎん!?きわどくない!?
と思って、ここで丈を伸ばしました。
全年齢対象でいきましょう、全年齢対象で。
個人的にセクシー要素は出したくないので。

ここで太陽の光の、暖かくも心強い光と
彩雲のような表現をするために、カラフルな色彩を加え始めました。

薄く黄色、赤、紫を追加しました。
一見わからないですが、
点描画のようにパステルを猛烈に連打していく作業も始めました。
こういう気の遠くなるような作業、大好きなんですよね。
でゅふふ・・・。

また、少女が浮いていることを表現するために
背中部分に強い反射光を入れていきます。
光を受けた雲が色彩を放ちながら
強く跳ね返しているので、反射光が強くなるんですね。

写真業界でいうところの、レフ板みたいな作用を表現します。

【気分は高橋名人!パステルを猛烈に連打!】


作品の下の方は、ひたすらにパステルを連打して点描のように描いていきます。
無の境地、悟りを開いたように(?)トントン連打していきます。

好きな音楽を聴きながら
無心で連打していきます。
手首がイカれそうだ・・・!
でも、この途方もなさが好き・・・!

ただ、点々だけで描いていくのも良いですが
途中で調味料を加えて味変するように
紫だけ線で塗っていきました。
紫の部分は、大量のバッテンで描いているようなイメージです。
下地で敷き詰めた白を削るように大量の線を描きました。

色彩の構成も、上から
白→黄色→赤→紫→黄色にして
彩雲をイメージした柔らかなパステルカラーの絵でありながら
色彩によるインパクト、存在感を出していきます。

【そして完成へ・・・】


連打作業を繰り返しながらも
左上の太陽の光を強化していきます。
より心強くなるように、指でぼかしながらも色を重ねていきます。
赤い部分、その中身は赤とピンクとオレンジの融合体です。

少女が、より浮いているようにするため
ワンピの陰部分をガッと強くしました。
私は普段、人物の全身を描くことがないのですごく新鮮でした。

デッサンがわからないよぉぉぉ!
シワの入り方がわからないよぉぉぉ!
となりながらも描き進めていきます。

大きなサイズとはいえ
その中のこの小さい領域で人物、それも全身を描くのが初めてだったので
細かい部分の描き込みをするのが難しく感じました。
イラスト用の細いペンとか使っても良かったかもしれないですね。


というわけで
『Chronophobia』という絵画の完成です。
制作時間は大体11時間くらいでしょうか。
私にとって新しい挑戦でした。

「時間恐怖症」を意味するタイトルですが
世界観としては

時間が流れて未来に運ばれていってしまうことに恐怖する少女が
胎児の頃に戻りたいと思いながらも
それはどうしても叶わないので
せめて眠っている時間くらい安寧の時を流したいと願う
それは何にも干渉されない
光に満ちた雲の上の世界


そんなイメージです。
この絵を見たあなたに、この少女の思いが届きますように。
そう願うばかりです。

【絵描きさん、みんな仲間!】

私クロマトは、すべての絵描きさんを心より応援しております。
上手い下手も、初心者でも何でも関係ありません。
私だって、まだまだ駆け出しの身。
肩を並べて、あなたと一緒に進んでいける事を願っております。
この記事を見ていただいてありがとうございます。

クロマト



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